WEBデザインをグッと良くするコツと考え方(デザインの重心編:その2)
前回の「デザインの重心編:その1」ではデザインのバランスが崩れて見える原因の1つとして「重心」についてお話ししました。
しかし、実際自分のデザインの重心がとれているかどうかを確認するには経験や知識も必要なのですぐには難しいところもあります。
ですので、今回は実際の素敵なデザインを元に実際どのように重心をとっているのかを具体的に見ていきたいと思います。
それでは早速見ていきましょう。
4カラム階段状のレイアウト
ベクスト株式会社
階段状にすることで項目ごとにステップを踏み進んでいくということを視覚的に訴求できるデザインです。
また、右肩上がりのイメージは日本人に馴染みがあり「成長していく」という部分とも相性がいいですね。
どこで重心をとっているのか?
- 左上の見出し
- 水色の背景色
左上の見出し
階段状のレイアウトは左上のスペースができるので、そこを埋めることでグッと安定感が増します。
これは階段状のレイアウトの角度が急なほど効果を発揮します。
水色の背景色
階段状の起伏あるレイアウトに水平な背景色を敷きまとめてしまうことで「水平」という印象が強くなり安定感のある印象になります。
ちょっと話がそれますが、見出しの下のリード文が少し背景にかかっているのもポイントです。
背景色を敷くことで見出しコンテンツが分離し関連性が薄れてしまう為、少し引っ掛けることで関連性があるということが印象付けられます。
片側に背景色があるスライド
ミュージッククリエイターマガジン BIG UP!zine
右側だけに強めの色で背景色を敷き記事も少し見切れるようにすることでスライドの方向性を自然に強調できるデザインです。
どこで比重をとっているのか?
- 左上の見出し
- 左下のスライドボタン
左上の見出し
このようなデザインの場合、見出しを真ん中に配置したとすると「見出し」「左側の背景の切れ目」「一番左の記事」と階段状になりガタついて見てしまうので、左揃えにした方がまとまりがよくなるのはもちろん横への広がりも印象づけられるのでスライドするコンテンツとも相性がいいです。
左下のスライドボタン
ただスペースがあるから配置してあるわけではなく、見出しが左揃えのであるからこそそこからまっすぐ自然な視線移動で目に入る機能面も考慮した配置です。
今回紹介はしませんでしたが、このサイトではコンテンツ始まりで左側だけに強めの色で背景色敷いています。サイトデザイン全体で見ると「上部で背景色を左側」「下部で背景色を左側」と左右バランス良く配置しているのも重心が取れて見えるポイントの1つだと言えます。
不揃いなコンテンツの組み合わせ
横浜スポーツタウンアクセラレータ
今主流のあえて崩すブロークングリットレイアウトのデザインです。
適度な違和感を与えることでワクワクするような印象を与えられます。
どこで比重をとっているのか?
- 上下逆のレイアウト
片側のデザインだけ見ると整列されていない為崩れた印象になりますが、レイアウトを上下逆にし、右側に配置することで対称性が生まれ動きのある印象を保ちつつ左右バランスの取れたデザインになっています。
このように崩したレイアウトは揃えるところも作っておかないとただバラバラ印象になるので注意が必要です。
まとめ
- 背景を敷くことでバランスを取る方法もある。
- 一見不揃いなレイアウトでも繰り返すことで上下or左右対称にすることで重心が取れたデザインになる。
- 重心は一部分だけではなく、デザイン全体で取る場合はもある。